アキレス腱周囲炎

アキレス腱

アキレス腱は繊維状の組織で,下腿の筋群と踵骨につながっている。アキレス腱は下腿の遠位端に存在し,腓腹筋とヒラメ筋から続いている。この腱は身体の中で最も強い腱の一つであり,様々な職業,レクレーション,特に運動では欠かせないものだ。

状況情報

アキレス腱周囲炎は、腫れやアキレス腱の痛みを伴う。MRIを用いた研究では,この状態はこれまで考えられてきたような炎症ではなく,コラーゲンの変質によって生じることが明らかになっている。この症状はアキレス腱の全域に影響を与えるが,最も痛みが生じやすいのはアキレス腱が踵骨に付着する部分(もしくはこのエリアの1インチ半径)である。

踵の部分がこすれる靴はアキレス腱と踵骨を刺激し,いわゆる靴擦れを生じます。靴擦れの不快感や痛みを解決するには,問題の根本である靴に対処するしかありません。小さすぎる靴や,ヒールカウンター(靴のかかと部分の丸いパーツ)が足にあっていない靴は靴擦れを生じやすいです。歩行をはじめとする運動中の過剰な踵骨の動きも,この問題の原因でしょ

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原因と症状

 いくつかの一般的なアキレス腱炎の原因:

・従来の靴(とその靴によって置かれる足の状態)

・トレーニング量と強度の急激な増加(例:繰り返しかかる過剰なアキレス腱への負荷)

・踵の高い靴からレース用のフラットな靴,スパイク,踵の上がっていない靴への急速な移行

・下腿の筋の硬さ(特に下腿の深層筋)

・関節炎と骨棘

・抗生物質とコルチコステロイド

・年齢,性別,体重,足,歩容

 

アキレス腱炎の原因で見落とされがちなのは,フットウェア―の役割と靴の中で足がどういう状態にあるかです。特に足の指の状態はアキレス腱付着部に重大な影響を与えます(これは実際に見たり体験したりすることが可能です—足首を90度に保って足の指を曲げたり伸ばしたりしてみましょう)。トースプリング(従来の靴に見られる足指を変形させる構造)はアキレス腱のハリを生じ,組織変性の大きな原因である血流の阻害を引き起こします。

アキレス腱炎はいわゆるオーバーユース(急激なトレーニング量や強度の増加)によって生じる。長期間の踵が高い靴の使用によってアキレス腱は収縮しており,そのような靴(ランニングシューズやハイヒール)からほとんど踵が挙上されていない靴への急速な移行では,(例えば)アキレス腱が3/4インチほど引き伸ばされるためアキレス腱炎を生じる可能性がある。この時アキレス腱にかかる引き延ばされる負荷はアキレス腱炎を生じるのに十分なものです。

一般的なアキレス腱炎に関連する徴候と症状

・朝,もしくは運動時に見られるアキレス腱の痛みとスティフネス

・運動の翌日の激しい痛み

・太いアキレス腱

・アキレス腱とその周辺の慢性的なむくみ

・骨棘

・大きな歩容の変化

 

次はアキレス腱周囲炎の治療・対処についてご紹介します。

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