シンスプリント

主に後脛骨筋、前脛骨筋のオーバーユースによる炎症が原因

原因:

−オーバーストライド、極端なヒールストライク        (膝が伸びた状態での着地)

−足関節背屈状態での着地が前脛部へ強い負担を与える

−靴ひもをきつく締めすぎ

−サイズの小さすぎるシューズ

−オーバーワーク

−不安定な足部

 

対処方法:

1)ランニング・テクニックの改善             (チェックマークランディングの改善)

足部接地を屈曲した膝の下で行う。足部が路面と平行な状態で着地する。その2点で着地の衝撃を3−5分の1に軽減する事ができる。足関節背屈が強い状態で着地すると、前脛骨筋、後脛骨筋が緊張した状態で強い負荷がかかるので、炎症につながる事が多い。

*以下のキーポイントを気にしながら改善していきましょう。

ケーデンス:1分間に180に近いピッチで走る事を心がける。

  • 接地角度/フットストライク

:地面と平行に近い状態で重心の真下で足部を接地できるように練習しましょう。膝関節の屈曲位を保持した足部接地をする事で、脛骨筋群に与える衝撃を和らげる事ができ、より大きな筋群を動員したランニングを可能にします。この事を実際に感じるために、一度椅子に座った状態で脛部分を手で押さえながら、足関節を背屈させてみましょう。脛骨筋群が過緊張状態になる事を感じられると思います。次に即関節を底屈させてみましょう。下腿部分がリラックスする事が感じられると思います。ランニングの1歩1歩は常にこのような緊張状態を作りながら衝撃を受けているので、この衝撃を改善する事がどれだけ有効なのかが理解しやすでしょう。

 

  • アームスイング

:アームスイングのヒントは、単純に重心線よりも前方に肘がいかない事です。体より前でアームスイングをする事は股関節からの屈曲を促し、重心よりも前で着地するヒールストライクを助長します。

 

  • 姿勢

正しい姿勢で走る事で様々な問題を解決する事ができます。シンスプリントに関して言えば、姿勢が整う事で、足部接地時の足部が地面と平行に近くなり、脛骨筋群の緊張をより和らげる事ができます。背筋を伸ばし、股関節からの屈曲が起こらないように気をつければ、インパクトの少ない効率の良い走り方を身につける事ができるでしょう。

2)シューレースを少しゆるめましょう。

足の甲の筋群は脛骨筋群とつながっているので、シューレースをタイトに締めすぎると、足の甲だけではなく、脛骨筋群までも過緊張状態にしてしまう事があります。シューレースをゆるめて、指一本が入るくらいの余裕を持ってシューレースを締める事で足部と前脛骨筋群がリラックスします。

3)シューズフィット

ほとんどのシューズは実際の足よりも15mm程余裕があるように設計されています。15mmほどつま先部分がゆとりのあるシューズを選びましょう。この場合、トゥー部分がゆるく感じつ場合があると思いますが、関節筋をリラックスさせるためには、ある態度の余裕が必要です。トゥー部分以外はしっかりとフィットする事が条件ですが、つま先部分(前足部)が締め付けられたり、指先が当たってしまうようなサイズ感は避けましょう。

4)もう少し頻繁に走りましょう

最近のリサーチでは、週に1−2回走る人と、毎日走る人では、1−2回しか走らない人の方がシンスプリントになりやすいという事が証明されています。1回の運動強度を下げて、運動頻度を上げる事で、障害の発生頻度を下げる事ができます。

5)ダウンヒルとスピードに注意しましょう

ダウンヒルランニングや、スピードトレーニングは硬いにかける負担が大きいので、急性期には避けましょう。

6)足部と下腿の強化エクササイズ

長期的には足部と下腿の筋力強化はとても有効な解決策となります。とても簡単な方法は、ベアフットランニング(裸足ラン)です。はじめは30秒間程度の土か芝生などの自然な地面から試していきましょう。週に1回か2回の練習を行い、30秒ずつ時間を増やしましょう。ベアフットランニングはランニングフォームの改善にもとても有効です。

Evidence based natural running